Webサイトの制作フロー

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これからホームページを発注する方向け

一見それほど重要ではないように思われますが、制作フローはサイト制作の成果にも影響します。発注者の方が制作フローを理解されることがビジネス用Webサイトの成功に繋がるのではないかと日々感じています。失敗しない発注のために、Webサイト制作フローのそれぞれのステップについて書き出してみたいと思います。

STEP1 ヒアリング・調査・分析

サイトで実現すべき課題や顧客のニーズ、自社の強み、を明確化するために、データ分析、ヒアリング・インタビューを行います。
リニューアルであれば、現在のサイトの状況をアクセス解析なども利用します。
また、顧客へのアンケートやインタビュー、各部署の担当者へのヒアリング、競合分析なども行うと良いでしょう。マーケティングの戦略フレームワークなどを利用することもあります。
また製品についての理解を深めたり、顧客に提供できる自社の価値やメリットをまとめたたりすることも必要です。
また、このタイミングで現在のサイトのユーザーテストを実施してみても良いかもしれません。
(UXのワークショップに参加したときに、競合他社のサイトをテストするのもよい手法だと講師の方が話していらっしゃいました。競合他社のユーザーテストでも多くの学びが得られるそうです。)

STEP2 ユーザーストーリー・ペルソナ作成など

ユーザーについて具体的に仮説を立てていきます。
私はペルソナ作成は行っていませんが、ユーザーストーリーを用いてユーザーのサイト利用についての仮説を立てていく手法を利用しています。
ユーザーのタスクやコンテキストを元にサイトに必要な要素を検討します。

STEP3 情報設計

STEP1、STEP2から自社の戦略、ビジョン、ユーザーの目的、サイト利用の背景などが見えてきていると思いますので、サイトツリーを作成して、全体像を共有します。サイトツリーは、建物でいうと見取り図でしょうか。どこにどんな部屋があるのか、全体でどのような部屋があるのか、ツリー形式に落とし込みます。
またそれぞれのページの具体的なレイアウトをワイヤーフレームに落とし込みます。ページのどこにどういう情報を載せるか、それぞれどれくらい目立たせるかなどデザイン制作の前にワイヤーで確認します。

ワイヤーフレームをペーパープロトタイプとして利用して、このタイミングでユーザーテストを可能であれば実施してみることもできます。ユーザーテストは全く行わないと何も得るものがありませんが、数名に対してであっても行ってみることで、サイトを改善することができると言われています。

ひとりのテストユーザーからデータを集めるだけで、得られる洞察の数は跳ね上がり、デザインのユーザビリティに関して知っておくべき洞察のうち、ほぼ1/3を学んだことになる。たとえわずかなデータでも、ゼロとの間には驚くべき違いがある。
https://u-site.jp/alertbox/20000319

STEP4 原稿作成・写真素材準備

「どう言うかよりも何を言うかのほうが大切」と言われます。
ユーザーにどんな言葉で伝えればささるのか、どこまで説明するべきなのか、
どんな写真を載せるとユーザーは動くのか、など考えながら素材を準備します。

STEP5 デザイン・HTML・CMS

デザイン作業に入ります。対象となるユーザーが惹きつけられるデザインはどのようなものか、自社や商品の魅力を伝えるためにデザインをします。

近年スマートフォンからの流入がPCからの流入よりも多い傾向にありますので、PCだけで確認を行うのではなく、必ずスマートフォンによる確認を行うようにしましょう。
見た目の印象だけでなく、文章の読みやすさ、使いやすさ、回遊のしやすさ、ローディングのスピードなども確認しましょう。お問い合わせフォームがある場合は、スマートフォンからお問い合わせテストを行いましょう。

STEP6 公開・改善

Webサイトは公開してからがスタートとよく言われます。
公開後、アクセス解析やサーチコンソールなどのデータを確認してどれくらいコンバージョンに到達したか、離脱率の高いページ、直帰率の高いページ、またどんなキーワードでサイトが検索結果に表示されているかなどを確認しましょう。
Webサイトは更新のしやすさからも常に新しい情報が載っているメディアだと期待しているユーザーが多いと思われます。
新しい情報があれば随時アップするようにしましょう。

まとめ

Web制作フローの大まかな流れをご紹介いたしました。
制作会社によってはSTEP3から作業を開始したり、案件によっても、予算や納期によっては、またデザインだけのリニューアルを行う場合ではSTEP5から作業が開始されることもあります。

本当はSTEP1から作業を開始すべき案件がSTEP3から開始したために、要件をまとめきれず、デザイン段階になり形になってから「これじゃなかった」と振り出しに戻る案件に遭遇したこともあります。
そうならないためにもどこから作業を開始すべきかはしっかり検討すべきだと思います。

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この記事を書いた人

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山本美代子
フリーランスでWeb制作を行なっています。
美術系大学後、情報誌の会社のWeb制作部、Web制作会社を経てフリーランスに。
ビジネスに貢献できるサイト制作のために、UXデザインや結果のでやすいUIパターン、ユーザビリティについて学び、実践しています。
サイト制作についてのご相談などお気軽にお問い合わせください。