カルーセルやバナー:ユーザーに無視されやすいもの

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Webサイトの使いやすさを考える

制作の参考になる様々なデータや情報がサイト上には沢山あります。制作に入る前にそれらの情報を知ることも大切です。
今回は多くのサイトで取り入れられているけれども、実は取り入れるには注意が必要なカルーセルとバナーについて書かれた記事をまとめてみました。

カルーセルについて

サイトでよく見る動くスライド。よく見るUIなので気軽に取り入れてしまいがちです。しかし導入前に本当に結果に繋がるかどうかじっくり考えて取り入れられているでしょうか? カルーセルについて書かれたいくつかの記事をご紹介します。

カルーセル
カルーセルのサンプル
動きがあって見栄えがよく、少ない面積で何枚ものイメージを見せることができるためWebサイトではよく取り入れられます。しかしスライドにすることで情報が伝わらなくなる可能性があるとするとすれば、事前によく考えて導入する必要がありますね。

「自動送りカルーセルとアコーディオンは、ユーザーをいらつかせ、可視性を下げる」
http://www.usability.gr.jp/alertbox/auto-forwarding.html
記事を見ると見出しに「アコーディオンのような大きなカルーセル: 無視される」と書かれています。個人的に注目したい一文は「最も重要なのは、それが動くことから、頭からユーザーにこれは広告だろうと決めつけられ、無視されがちになってしまうことである。」という箇所です。せっかく取り入れても動く=広告と思われ、無視されてしまうのであれば導入してもあまり意味がないかもしれません。

「Carousels on ecommerce sites: are they worth bothering with?」
http://econsultancy.com/jp/blog/61995-carousels-on-ecommerce-sites-are-they-worth-bothering-with
こちらでもカルーセルについて「Customers aren’t paying attention(顧客は注意を払っていません)」「They don’t work(それらは働いていません) 」という見出しが付いた記事を紹介しています。またカルーセルを取り入れたECサイトの事例が紹介されています。カルーセルははたしてスペースの無駄なのでしょうか。

「should i use a carousel?」
http://shouldiuseacarousel.com/
こちらは「カルーセルを使うべきか?」という内容。答えとして「NO!!!」と言っています。
カルーセルパネルを使わないほうがよい理由がカルーセルUIで紹介されています。

Should I Use A Carousel?

バナーについて

バナーは昔からサイトでよく使われていますが、広告として使われることが多いためサイト内のコンテンツへのリンクをバナーにしてしまうと広告だと思われクリックされなくなってしまう可能性があります。

「バナーは目に入らないのか?~新旧の知見」
http://www.usability.gr.jp/alertbox/20070820_banner-blindness.html
デザイナーをしていると「目立たせたいので派手にしてください」とか「画像で目立つようにしてください」と言われることも多いのですが、ニールセン博士によるとユーザの視線を惹きつけるのに効果的なデザイン要素は「平文」とのことです。
一見地味にみえる平文が一番ユーザーの視線をひきつけるのは興味深いことです。そして「バナーは目に入らない」と書かれています。

【インタビュー】クックパッドのUIデザイナー:「エンジニアの仕事が0を1にする仕事なら、デザインは1を100にする仕事 」
http://jp.startup-dating.com/2012/05/interview_ikumikatayama
クックパッドはものすごく検証をしている企業という印象もありますが、そのクックパッドのUIデザイナーの方のインタビュー。こちらでも広告に見えるものがクリックされづらいという結果だそうです。クリックされやすくするためにはバナーではなく、サイトコンテンツに見えるようにデザインをする必要がありそうです。

画像はユーザーに無視される? アイトラッキング最新調査から考えるSEO対策時のポイント【Search Engine Strategies 2010レポート】
http://markezine.jp/article/detail/11676?p=3
こちらはバナーではなく、テキストと画像についての記事です。

トップナビゲーションの下にページ幅で美しい画像が置かれ、その下にテキストリンクや文章が置かれたページをよく見かけます。しかし、こうしたページの場合、画像がページの半分以上のスペースを取っているにも関わらず、ユーザーは画像を無視して、その下のテキストを読んでいるそうです。

画像は装飾で、テキストは情報と思うユーザーもいるのかもしれませんね。

広告に見えるものは無視されやすい

ユーザビリティ研究の第一人者ニールセン博士によると、広告に見えるものすべてが無視されやすい傾向にあるのだとか。目立たせるために派手な見た目にするとよいと単純に思ってしまいがちですが、派手にすることでかえって見てもらえなくなる場合もあるそうです。(派手な体裁や奇をてらった言い回しは無視される

「派手だったり動いているもの=目立つ=見てもらえるはず」と思ってしまいやすいので、派手にすると無視されるというのは意外と思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。こういったことを初心者の方がすんなりと理解することは難しいものですが、既存の情報を知ることでサイト制作に活かすことができるのではないかと思います。

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山本美代子
フリーランスでWeb制作を行なっています。
美術系大学後、情報誌の会社のWeb制作部、Web制作会社を経てフリーランスに。
ビジネスに貢献できるサイト制作のために、UXデザインや結果のでやすいUIパターン、ユーザビリティについて学び、実践しています。
サイト制作についてのご相談などお気軽にお問い合わせください。